はじめに
転職や就労移行支援の終盤になると、必ず書かなければならないのが「職務経歴書」です
皆さんは、職務経歴書を書く際にどんなことを意識していますか?
どんなことでもそうなのですが、特に職務経歴書を書くにあたっては
- 何のために書くのかが分かっている事
が何よりも重要になります
極端な話、職務経歴書を漫然と書いていても、まず書類選考は通りません
では、職務経歴書をどのように書けば良いのでしょうか
今回はその事について書いていきます
※この記事をご覧の方の中には、職務経歴のない人もいると思います
そんな人は、「職務経歴」を「クラブ活動歴」や「バイト歴」について置き換えて読んでください
職務経歴書で伝える事
皆さんは
- 職務経歴書を何のために書くのか
- 職務経歴書で何を伝えたいのか
について考えたことはありますか?
このポイントを押さえておかないと、ただ自分の職務経歴を羅列するだけになってしまい
採用担当者が読んでも「で、何を伝えたいの?」となってしまいます
採用担当者が最も知りたいのは
- 自社に入社した時に、想像した通りの活躍をしてくれるか
に他なりません
そのためにその人の人物像や能力を想像し、欲しい人材像とマッチするかを判断するのです
つまり、職務経歴書で「自分はこんな人物で、こんな能力・スキルがある」という事を伝えられて
初めて選考の土俵に上がれる、という事になります
もうお分かりですね
職務経歴書は、「仕事に対する姿勢」や「能力・スキル」を伝えるためにあるものなのです
職務経歴書を書くのに必要な事
では、具体的に何をどのように書けば良いのか
たいていの人は
- 経験した職務
- その中でやってきたこと
- その結果得られた成果
を書くと思います
実は、その書き方自体は間違っていません
では、何が足りないのか
この足りないものこそが「何のために職務経歴書を書くのか」についての意識なのです
上記の事柄をただ並べただけでは、結局その人が
- どんな事が得意なのか
- どんな仕事の仕方をするのか
- どんな特徴をもった人なのか
上記のようなことが全く伝わりません
なぜなら、ただ並べるだけでは、自分自身でも上記の事が分からないから
という事で、職務経歴書を書くにあたってまず必要なことが
- 自分の棚卸
になる訳です
具体的な「棚卸」の方法
・棚卸の初めに
では、何をどのように棚卸をすれば良いのか
私は、次の3点に注目して「経験の棚卸」をします
- 自分の仕事の方向性
- 自分の能力
- 自分のスキル
採用担当者に伝えたい事はあくまでも上記の3点ですから
当然、これらについて焦点を当てます
これらに焦点を当てたうえで、「職務経歴=経験」を棚卸していけば
採用担当者に伝わりやすい職務経歴書が出来上がるはずです
具体的なやり方としては、自分が仕事をしていた期間について
- どんな作業をしていたのか、すべて洗い出す
- 洗い出した作業のそれぞれについて、何を意識して仕事をしていたかを書き足す
- その結果、どんな成果を得られたかを書き足す
これらを、以下に気を付けて行っていきます
・棚卸で重要な事その1 ~小さな事も全て書き出す~
棚卸を行う際に重要なことは
- どんな小さな事でも良いので、とにかく書き出す
事です
例えば、私の場合「今まで手作業で行っていた部分をExcelマクロで自動化した」という経験がありますが
この経験は、人によっては「これくらいの成果なら書かなくてもいいや」
となる可能性もあるくらいの、小さな事柄と認識しています
それでも職務経歴書に書いたのはなぜか
これを書くことで、自分の「最小の時間で最大の成果を出す」という姿勢を伝えられると思ったからです
職務経歴書で伝えたい事は単純な経験ではありません
自分の「能力」「スキル」「仕事への姿勢」を伝えるためにこそあるものですから
それをより明確にするためにも、どんな小さな事でも書き出す必要があるのです
・棚卸で重要な事その2 ~方向性を見つける~
どんな作業をしていたかを書き出した後は、その時に自分が意識していた事を書き足していきます
非常に時間がかかりますが、必ず洗い出したすべての作業に対して行ってください
この「自分が意識していた事を書き出す」事によって、自分の仕事に対する姿勢が見えてくるからです
恐らくほとんどの方は、自分が仕事を行う際の姿勢や方向性を意識しません
だからこそ、採用担当者に伝えるために、仕事に対する姿勢を再認識する必要があるのです
この「自分が意識していた事を書き足す」作業ですが
数が多ければ多いほど、自分の仕事に対する姿勢を明確に再認識できます
限界まで自分の仕事に対する姿勢を明確にするためにも
洗い出した全ての作業に対して、自分が意識していた事を書き足す作業が必要なのです
・棚卸で重要な事その3 ~結果は可能な限り明確に~
自分がどのような姿勢で仕事を行ったのか、その姿勢を裏付けるために結果も洗い出していきます
その際に重要なのが
- 採用担当者にどれだけ明確にイメージさせられるか
という事です
当然、結果が明確であればあるほど、よりイメージしやすくなりますので
可能な限り明確に書く事が必要になります
ここで言う「明確に」とは、「数値や具体事例で定量的に書く事」を指します
職務経歴書は、2ページ(A4一枚表裏)に収めるのが一般的とされているため、細かい部分まで書いていては
スペースが足りなくなります
少ないスペースで、より明確に伝えるためにこそ、数値や具体事例が必要になってくるのです
例えば、上にあげたExcelマクロの例
「手作業で行っていた作業をExcelマクロで効率化した」
この文章だけでは不明確で、「何をもたらしたのか」は何も伝わりません
これを
「手動で行っていたサンプリング作業をExcelマクロで自動化した結果、作業時間を80%短縮できた」
と書けば、「何を」「どのくらい」といった事が明確になり、採用担当者に伝わりやすくなります
重要なのは結果の詳細ではなく、得られた結果が「何をもたらしたのか」ですから
採用担当者に「何をもたらしたのか」を明確に伝えるためにも、「定量的」を心がけてください
棚卸の最後に
棚卸の最後に行うことは、「書き出したことの整理整頓」です
書き出しを終えた今の段階では、まだ「ネタが集まった」だけに過ぎません
これらを整理整頓して、初めて「採用担当者に伝わる職務経歴書」が出来上がるのです
では、どのように整理整頓していけば良いのか
ここで重要なのが「一貫性」になります
仕事に対する姿勢というのは、一人のなかでも色々な方向性があると思います
その中で
- 最も採用担当者に伝えるべき事柄は何か
- 採用担当者の欲している事柄は何か
これらを意識しながら、情報の取捨選択を行いましょう
そうする事で、伝える事がブレない、明確な職務経歴書が書けるようになる訳です
「棚卸」が終わったら・・・
棚卸が終わったら、いよいよ職務経歴書の作成に着手する訳ですが
ここでも「どうすれば採用担当者に伝わりやすいか」を意識してください
逆に言えば、採用担当者に伝わりさえすれば、書式はどんなものでも構わないという事です
ですので、書式についてはここでは取り上げません
ただし、重要な点として
- 自分で見て分かりやすくなければ、間違いなく採用担当者にも伝わらない
ここは意識してください
まずは自分で見て分かりやすい職務経歴書を書いてみる
言葉の選び方なども重要になってきますので、何回も読み直し、修正をしていって下さい
そのうえで、だれか信頼できる第三者に読んでもらう
そこで上がった修正点を反映させていけば、きっと良い職務経歴書が出来上がるはずです
長くなりましたが、今回はここまで
読んでいただき、ありがとうございました~
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