はじめに
前回の記事では、スケジュールリフィルの自動作成に関わる【関数】について
- 関数の基本
- 日にちに関する関数
を紹介しました
今回は、リフィルの装飾や色分けに関わる【条件付き書式】について紹介します
デイリーリフィルの作り方シリーズ
自作の方法として、ほぼ誰でもPCに入っている【Excel】を使った自作方法を4回に分けて紹介します
条件付き書式編で紹介すること
今回の記事では
- 条件付き書式の基本
- 条件付き書式での関数の使い方
を紹介します
条件付き書式の使い方(基本)
条件付き書式は、条件ごとに書式ルールを作成します
作成方法は【条件付き書式】タブにある【新しいルール】から行います(下図参照)
選択すると次のウィンドウが出てくるので、【数式を使用して、書式設定するセルを決定】を選択します
今回の作成方法は
- ①に条件となる式
- ②に条件を満たしたときの書式
を先に決め、ルール設定後に適用範囲を選択する方法をとっています
早速条件付き書式を設定してみましょう
A1~E5に次のように値を入力し、条件付き書式を
- 数式・・・【=A1=2】
- 書式・・・黄色の塗りつぶし
と設定します
その後【条件付き書式】タブにある【ルールの管理】をクリックします
すると次の画面が出るので
- 【このワークシート】を選択
- 適用先に【=$A$1:$E$5】と入力
と設定しましょう
【適用】ボタンを押すと次のように変わるはずです
条件付き書式のルールと参照方法
条件付き書式のルール
上の設定、よくよく考えてみると少しおかしいですよね
「【=A1=2」と設定したはずなのに、なぜA2セルとB1セルが変わったんだろう・・・?」
そう考えたのではないでしょうか
これは二つの理由
- 条件付き書式のルール【適用先のセルすべてに条件式を当てはめる】を基にしている
- 【相対参照】にしているため条件がセルごとに変わっている
が関わっているためなのです
2つ目の理由が少々分かりづらいため、次で解説しましょう
【相対参照】と【絶対参照】
相対参照とは
【相対参照】とは、一言で言ってしまうと【参照元がセルの移動によって変わる】事を指します
この例で言うと
A1から右に1つ移動したB1セルの条件を判定するときは
条件を参照するセルも右に一つ移動して【=B1=2】となる
という事になります
絶対参照とは
一方で【絶対参照】とはどんな事なのでしょうか
こちらは相対参照とは逆で【参照元がセルの移動によって変わらない】事を指します
この例だと
A1から右に1つ移動したB1セルの条件を判定するときも
条件元のセルは変わらず【=A1=2】となる
という事になります
絶対参照にする書き方
絶対参照は【先頭に「$」マークをつける】事で出来るようになります
これは行、列と別々に設定することができます
- 列(A、B、C、・・・)の先頭に$を点けると列が固定される
例:【$A1】と書くと、参照セルは【A列】に固定される(A1、A2、A3、・・・の方向にしか移動しない) - 行(1、2、3、・・・)の先頭に$を点けると行が固定される
例:【A$1】と書くと、参照セルは【1の行】に固定される(A1、B1、C1、・・・の方向にしか移動しない)
もちろん列と行を同時に絶対参照にすることもできるため
- 【$A$1】と書くと、参照セルは【A1】セルに固定される(どちらの方向にも移動しない)
絶対参照の例
先ほどの例で使われた相対参照を、絶対参照に変えてみましょう
それぞれのパターンについて解説すると
パターン①
条件を【$A1】とした場合
A列が固定されているため、B列以降も全て【A列のセル】を条件として参照する
(例:B1セルはA1セルを条件として参照、C3セルはA3セルを条件として参照)
→2行目のセルは全て【A2】を参照しているため【A2=2】が条件となる
そのため2行目が黄色く塗りつぶされる
パターン②
条件を【A$1】とした場合
1行目が固定されているため、2行目以降も全て【1行目のセル】を条件として参照する
例:A2セルはA1セルを条件として参照、C3セルはC1セルを条件として参照
→B列のセルは全て【B2】を参照しているため【B2=2】が条件となる
そのためB列のセルが黄色く塗りつぶされる
パターン③
条件を【$A$1】とした場合
A1セルで固定になっているため、すべての適用範囲で【A1セル】を条件として参照する
→【A1=2】という条件は満たされないので、黄色く塗りつぶされるセルはない
・・・という事になります
お分かりいただけましたでしょうか
条件付き書式に関数を使う
条件付き書式には
IF関数や日付に関する関数など、さまざまな関数を使う事ができる
という特徴があります
リフィル作成にはこの特徴が非常にありがたく、このおかげでいろいろな表現ができます
一例として、当月のみ太字にするような条件を作ってみましょう
2月27日(月)~4月2日(日)までの日付を次のように入力した表を用意します
この表について、【3月の日付のみ太字にする】条件を設定してみます
条件付き書式に関数を使うには
条件付き書式に関数を使うときも、今までと同じように【=】を頭につけて書き始めます
例:【=MOD(5,2)=1】など
※注意点として、条件式は必ず
【TrueかFalseかで判断できる(答えがYesかNoのどちらかで答えられる)】
必要があります
そのため、複数の条件を同時に設定するときは【論理関数(ANDやORなど)】を使わないといけません
複数の条件を設定するときは
上で書いた通り、複数の条件を設定するには論理関数を使います
今回の例だと、日付のシリアル値が
- 2月28日のシリアル値よりも大きい
- 4月1日のシリアル値よりも小さい
の複数の条件があります
今回は両方の条件を満たす必要があるため、【AND関数】を使います
上の2つの条件を式にすると
- DATE(2023,2,28)<セル
- セル<DATE(2023,4,1)
になるので、AND関数でつなげて
=AND(DATE(2023,2,28)<A1,A1<DATE(2023,4,1))
と書きましょう
この書式を【$A$1:$G$5】に設定して【適用】を押すと
図の通り3月1日~3月31のみ太字になります
おわりに
いかがだってでしょうか
今回は日付の装飾に大活躍の【条件付き書式】について紹介しました
条件付き書式は分かりづらい部分も多く、けっこうな人がつまづく箇所だと思います
この記事で少しでも条件付き書式が使えるようになってくれると嬉しいです
それでは次の記事でお会いしましょう
読んでいただきありがとうございました~
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